現地の様子
アイムサ君の現地報告
アイムサ・カンポス・アルセイス君はスペインからの留学生(東京大学大学院)でスリランカでゾウの研究をしています。たまたま調査中に津波に遭遇し、調査を切り上げて現地の救援活動をして帰って来ました。彼の報告です(高槻)。
皆さん
お陰さまで無事スリランカから帰国しました。いうまでもなく今回の調査は12月26日に起きた恐るべき津波で忘れられないものになりました。
今回ゾウと人間の軋轢について5ヶ月分と470例の情報が得られました。ゾウの捕獲も予定していましたが、津波のために延期になりました。
御存じのようにスリランカの被害はひどく、4万人が亡くなり、それ以上が家や収入源などをなくしました。ただし大混乱というような想像はしないでください。津波の分布は奇妙で、広い範囲が被害を受けましたが海岸部に偏っており少し内陸に入るとまったく被害がありません。生活は正常で、食料、水、衣類、屋根などはごく初期から供給されました。当面すべきことは海岸部の生活再建(家の建築、漁具の修理、仕事、それにとくに孤児、未亡人、精神に打撃を受けた人たちの支援)です。
私は高槻先生とパリタさんが孤児の教育等のために義援金や物資をたくさん受けたのを聞いて驚きました。すばらしいことだと思います。
スリランカの人々を救いたいとお思いでしたら、物資や救急品を送るよりも中長期的な経済貢献が一番よいと思われます。スリランカの物価は日本よりはたいへん安いので少ない義援金でも大きな援助になるということを喚起したいと思います。
敬白
アイムサ
現地の状況
- 津波によって飴のように曲がった鉄塔
- 破壊された家
- 大混乱を処理する特殊部隊
- 津波の翌日人々は親族の安否情報を求めに集まった
- 救援物資センターでは物資を得ようとする人々の表情は真剣だった
- 野次馬も多かった
- たったひとつの笑顔
高槻は2005年4月中旬に被災地を訪れました。家の壁が完全に取り払われており、津波の激しさを物語っていました。
海外の援助で立てたれたテントがあり、中には日本からのもありましたが、ほんの小さな字でしか書いてないので日本の協力であることがわかりませんでした。
テントの中は蒸しぶろのような暑さで、生活はたいへんなようでした。
全般に復興のための動きが遅く、もどかしさを感じました。