設立趣意
設立趣意
親を亡くしたスリランカの子供たちが、安心して学校を続けられるように皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
2004年12月26日に起きたスマトラ沖地震はスリランカにも大きな被害をもたらしました。
私はこの10年ほどスリランカの野生動物を研究するために当地を何度も訪れ、研究上の成果をあげることができただけでなく、スリランカの人々との交流を通じて多くのものを学ばせてもらいました。そこでは日本が忘れてしまった生命に対するやさしさや、人々の思いやりが溢れています。それだけに今回の津波の被害で亡くなった人、被害を受けて人が苦しんでいることを思うと胸が痛みます。
私は知人に援助の協力をお願いしました。その結果、思いがけず2005年3月中旬段階で約220万円もの義援金と多くの物資が送られて来ました。当初30-40万円くらいを想定していましたので、ありがたいとともに驚いたというのが正直なところでした。それで、60万円で買った医薬品と送られた物資はすぐにスリランカに送りました。
この過程で私たちが考えたのは、この被害は長引くということです。今回の津波でたくさんの子供が親を亡くしました。スリランカに行くたびに大きな瞳を輝かせて人なつっこく集まってきて遊んだ子供たちがそのような状況に置かれていると思うのはつらいことです。
そのようなことも重ね合わせて考えながら、またペラデニア大学のグナテラカ教授とも話し合って、今回の津波で親を亡くした児童が学校を続けられるよう基金を作って、卒業できるまで援助を続けたいと考えました。緊急の医療援助や建物の復興には多くのルートで援助が動いていますから、私たちはこのような形での援助したほうがよいと考えたのです。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
2005年2月17日
「ゾウさん基金」代表 高槻成紀
名前の由来
私がスリランカの研究で力を入れて来たのはアジアゾウで、ゾウが私とスリランカの人々をむすびつけたといってもよいかもしれません。アジアゾウはスリランカの人々にとっては特別な存在で、ふつうの野生動物とはまったく違います。なんといっても大きくて、力があります。ですから、歴史的には戦車でもありましたし、現在でも農作業や工事のためのトラクターでもあります。
それだけではありません、頭もよくて、やさしく、おだやかな動物です。それは、そのままスリランカの人々の理想像のような存在といえます。その強い力とやさしさで子供を導いてくれるというイメージも込め、この基金を「ゾウさん基金」と名付けることにしました。